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それからの僕の行動は異常だった。
どんな形であれ自分の母親が死んだのだ。普通は救急車や警察を呼ぶだろう。
しかし僕は、それをしなかった。
群がった彼岸花を掻き分け、母親だった‘ソレ’を庭に埋めようと思ったのだ。
穴を掘っている間、当然何度も嘔吐した。
生理的な涙も出た。
だけど僕は掘ることを止めなかった。
ようやく深い穴を掘り終わり、母親だった‘ソレ’を穴に入れる。
血の付いたシーツも、すっかり動かなくなった彼岸花も一緒に…
『…母さん…』
丁寧に穴を埋め、花を供え、手を合わせた僕は思った。
きっとあの砂時計のせいなのだと。
あれを壊さなければ、と。
僕は、傍らに置いていた砂時計を握り、思いっきり地面に叩き付け…ようとした。
だが寸前に意識が朦朧とし、僕はその場に倒れてしまったのだった…
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