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『悠斗…お前ホントに大丈夫か?顔が青白いぞ?』
『え…そう?』
『あぁ。早く帰って寝た方がいいな。あんまりひどいようなら病院行けよ?』
『ん…わかった』
いつの間にか自分の家の目の前。…なぜだろう。入るのが、怖い。
『どうした悠斗?もしかして鍵無くした?』
『あ…いや、あるよ。大丈夫』
涼夜が見てる。
鍵があるのに入らないのは明らかにおかしい。
意を決して、僕は家に入ることを決めた。
『涼夜、わざわざありがとう。今日はゆっくり休むよ』
『おう!なんかあったら連絡よこせよ!じゃあな!』
僕の頭をわしゃわしゎと撫でて、涼夜は帰って行った。…やっぱり心細い。
カチャン
…鍵を開ける。
ドアを開ける。
朝見た時と変わらない。
『…寝よう。今のままだと危険だ』
僕は早々に自分の部屋に入り、ベッドに横たわった。
…あぁ。
砂時計は今日もまた落ち続けている…
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もはや見慣れた風景。
足下に彼岸花。
だけど今回は、まだ誰も死んでいないのに。どうして続けてこの夢を見る?
いつも‘誰か’が目の前で彼岸花に喰われるのに。今回はそれがない。昨日見たあの‘ヒト’は、結局誰だったんだ?
《アイツ、ドウシテシナナイ?》
…‘あいつ’?
《ココデハ、チャントデキタノニ、ドウシテシナナイ?》
…おい、誰のことを言ってるんだ?昨日見たあの‘ヒト’は誰だったんだ?
《…ユウトガ、ワルインダ》
…は?何で僕が?
《ユウトガ、アイツノコト、タイセツナトモダチトカ、イウカラ》
…!!
《ダカラ、シナナカッタンダ。ユウトガ、ジャマシタカラ》
…おい…ちょっと待ってくれよ…じゃあ昨日見たのは…涼夜!?
《ダレカ、カワリニ、コロサナキャ…》
…代わりに!?ふざけるな!そんな簡単に人の命を奪うな!
《…ユウト…ツギハ…》
邪 魔 シ な い デ ネ ?
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