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「……ん?」
覚悟して目を瞑ったがなかなか一撃が来ない。
その代わり柔らかいモノが全身を包むような感覚がする。
何かと思い目を開けるとそこには不思議な光景が広がっていた。
「ゆ、夕紀…可愛すぎだよぉ~!」
「………はい?」
小夜伊が俺を抱き締めて頬擦りしている。
何なんだよコイツは。
色々と突っ込みたいが、まずは離れるのが先だと思うから今は止めておこう。
ふにふにしたモノ同士が押し合って変な感覚がするし。
「わ…輪島さん…」
引き離そうとすると小夜伊は俺の手を払いのけ、胸に顔をうずめた。
…また変な感覚が。
「夕紀はいつも立樹にいく。別れればこの胸のモヤモヤも晴れると思ったのに晴れない。離れたくなかったから友達でって言ったのに私の気持ちは収まらない。立樹は立樹で別れたのを良いことに私の夕紀に手を出す!」
あれ。泣いて…ないよな?
体が少し震えてピクピクしてるけど…
けど…なんか可愛い気が…って、一度ふられた女だぞ俺!
なに考えてんだよ。きっと小夜伊だって……
「…………私夕紀のお姉ちゃんになりたい。」
…ほらな?…ん?
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