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「……どうしたの?」
「なんでもないです。」
「そう。じゃあ初めていいかな?」
「ダメです月見夜さん、メ。いいですか?こんな事は学校でするもんじゃないです。それにエッチ事したら多分小夜伊と仲が悪くなっちゃいますよ?」
「…だ、黙ってればバレないよ~。だから、ね?」
「小夜伊は匂いで気づきますけど。」
あれは付き合って2ヶ月の頃。
若気の至りといいますか、初めての浮気を初日目で見破られたんだ。
匂いで。まさに番犬なみだったよ。
「でもでもでも、私夕紀ちゃんのこと…!」
「私は優柔不断の八方美人。素敵な月見夜鈴音さんにはすぐに飽きられてしまいます。それより私は月見夜さんともっともっと仲良くなりたいです♪」
「…夕紀ちゃん。私と…仲良く?」
「はい。」
プルプル震える月見夜さん。
嬉しいのが伝わってくるぐらいに目をキラキラさせて今にも飛びついてきそうだ。
大人びで見えたけど、こんなところは中3の女の子だな。
「夕紀ちゃんコレからよろしくね♪」
「はい。月見夜さん♪」
月見夜さんはベッドから跳ね起きると手を振りながら保健室から出て行った。
ふぅ。なんとか止めることはできたな。ベッドに寝かされた時はダメかと思ったけど。
あの思い出のおかげか。
「で、いつまで隣のベッドにいるつもり?」
「…!?なんでバレたの!」
「息が荒い。」
指摘されるやいなや隣のカーテンが開いた。
まったく何やってるんだか。
腹立たしい気持ちも失せるよ。
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