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「輪島小夜伊さん。こっちに来なさい。」
「…わかった。」
仕方のない元カノだ。
なんだかこんな小夜伊を見てると付き合ったとか別れたとかどうでもよくなってくる。
凛としてるくせに色々とネジ抜けてるし実は甘えん坊だったりもする。
「よしよし。」
「な…なんで撫でるのよ。」
「なんか色々と吹っ切れた。」
小夜伊の髪の毛は相変わらず気持ちいいな。
俺の夕紀ちゃんも負けてないけどね!
…対抗心燃やしてごめんなさい。
はぁ…男じゃない以上男の楽しみも削がれたわけで、小夜伊と付き合っても付き合わなくても友達ならなんも変わんない気がするんですよ。
昔っからそうだった。
一応短いながらも幼馴染みで、その時も周りから勘違いされるくらい仲がよかった。
今更こんな肩書きがどうなろうが小夜伊がただ別の野郎とひっつくだけで、女の俺には何もできない。
……ちょっと、悔しいけど。
「も、もお離せぇ…!」
「はは。顔真っ赤だな。」
「…誰のせいよ。」
誰かとひっつく前にこの頭をいっぱい撫でておこう。
男の俺だったら多分ひっぱたかれてるだろうから。
こうやって見るとツリ目も可愛いもんだな。眉なんてハの字にしちゃって、自分より小さな俺に撫でられる事が恥ずかしかったんかな?
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