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そんな私達を見て要はクスクス笑っている。
「あぅ…」
今だ赤面中の遊月に笑いかけて、私と要は先程と同じ自己紹介をしたのだった。
それから三人で雑談していると先生が入って来て、HRが始まった。
「皆さんおはようございます」
そう挨拶したのは河野 真智子先生。
国語担当の二十代後半の優しい雰囲気を持った先生。
一年の時も国語を見てもらっていた、今年度は私達の担任となったそうだ。
「…で、新学期に合わせてこのクラスに転校生が入ります」
ザワッとクラスがざわつく、珍しい…この高校に入って転校生なんて初めてだ。
「結城さん入って来て」
先生の呼び掛けでドアが横滑りに開く…そうして入って来たのは、全体的にほっそりとした体型にストレートの腰位まである黒髪の綺麗な子だった。
ざわついていた教室がシンと静まる。
男子のボウッとした表情に苦笑が沸き上がる。
転校生が先生の横に並び、一度クラス全体を見渡してから
「結城 綾那です、皆さん宜しくお願いします」
そう言ってお辞儀をした。
頭の動きにつられ、サラサラとこぼれる髪が綺麗だった。
「結城さんの席は廊下側の一番後ろね、山名」
結城さんに席を指示してから、先生が私を呼んだ。
「はい?」
「結城さんの校内案内お願いできるかしら?」
「いーですよ」
了承するとニッコリと微笑むと「ありがとう、お願いね」と言い結城さんに席に着くよう言った。
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