一章

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席に向かい歩いて来る結城さんに「宜しく」と小声で話掛けると 「うん、宜しくね」 小声でそう返してくれた。 その彼女の言葉と共に、柑橘系の甘くそして爽やかな香りが私をくすぐっていった。 その後、HRはクラスメートの自己紹介をしたりで滞りなく終わった。 これから体育館で行われる始業式に出るため、結城さんを加え四人で話ながら体育館に向かっている。 「改めて、私は山名 律宜しく」 ニッと笑いながら言う 「私は高林 要、宜しくね」 要も凛々しい微笑みを浮かべている。 「宗像 遊月です!!宜しくお願いしましゅっ…%#£§○△~い、痛ひ…」 またまた噛んで涙目な遊月… 「だ、大丈夫!?」 結城さんが心配して遊月の顔を覗き込んでいる。 遊月はコクコクと涙目のまま頷いている。 「遊月舌切れてない?ンベってしてみー」 私は遊月の顔を少し屈み、結城さんの横から覗き込んで見る。 遊月は素直に舌を出す。 「ちょっと腫れてるかな…気を付けないとね」 コクコクと頷く遊月。 軽くフワフワな髪を撫でて離れた。 続いて結城さんが自己紹介を改めてして、お互い名前で呼び合う事になった。 そこまで話して、体育館に到着。 体育館シューズに履き変え、五組の列に出席番号順に並ぶ、一人番号の離れる要は少し前方へ…遊月・私・綾那は最後尾へ並んだ。
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