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席に向かい歩いて来る結城さんに「宜しく」と小声で話掛けると
「うん、宜しくね」
小声でそう返してくれた。
その彼女の言葉と共に、柑橘系の甘くそして爽やかな香りが私をくすぐっていった。
その後、HRはクラスメートの自己紹介をしたりで滞りなく終わった。
これから体育館で行われる始業式に出るため、結城さんを加え四人で話ながら体育館に向かっている。
「改めて、私は山名 律宜しく」
ニッと笑いながら言う
「私は高林 要、宜しくね」
要も凛々しい微笑みを浮かべている。
「宗像 遊月です!!宜しくお願いしましゅっ…%#£§○△~い、痛ひ…」
またまた噛んで涙目な遊月…
「だ、大丈夫!?」
結城さんが心配して遊月の顔を覗き込んでいる。
遊月はコクコクと涙目のまま頷いている。
「遊月舌切れてない?ンベってしてみー」
私は遊月の顔を少し屈み、結城さんの横から覗き込んで見る。
遊月は素直に舌を出す。
「ちょっと腫れてるかな…気を付けないとね」
コクコクと頷く遊月。
軽くフワフワな髪を撫でて離れた。
続いて結城さんが自己紹介を改めてして、お互い名前で呼び合う事になった。
そこまで話して、体育館に到着。
体育館シューズに履き変え、五組の列に出席番号順に並ぶ、一人番号の離れる要は少し前方へ…遊月・私・綾那は最後尾へ並んだ。
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