一章

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ボウッと壇上を見上げる…先程、綾那に見惚れてしまった時の動揺は既に治まっている。 私の顔には自嘲の笑みが浮かんでいるかもしれない…少し見惚れたとしても、それが恋の予兆とは限らない。 しかし先程の事がきっかけとなって彼女に惹かれていってしまうかもしれない…それがとてつもなく怖い。 もう…同性を好きになって苦しい想いはしたくない。 ただ秘めるだけの想いなんて…殺してしまえ…そんな芽なんて摘み取って決して育たぬよう… そう己の心に蓋をした…
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