四章

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心の奥底に沈めていた物の蓋が少し開く…そこにいたのは自分自身… 愛を求めて…蓋をこじ開ける。 (恐れてばかりじゃいけないんだよ…恋愛に異性同性の差なんてない…ただ一歩を踏み出すか出さないかだろう?) ………うん……… (少しずつでいい…自分の気持ち認めて進もう?) ココロの中のもう一人の自分が…私に手を差し出す。 私は恐る恐る…その手を握り…手を引かれ立ち上がる。 (…頑張れ) もう一人の私はそう言って、光の粒となり消えた…いや…私と一つになった。 そうして…私は綾那への恋心を自覚して認めたのだった。 「…っ…律!!」 己の中に沈んでいた私は綾那の呼び掛けにハッと意識を戻す。 「あ…あぁ…ゴメン綾那、少しボゥーとしてた」 視線を綾那にやると、私の目に映ったのは心配そうにこちらを見る綾那。 「本当にボゥとしていただけ?体調が悪かったりしない?」 「ないない、全然大丈夫だよ」 綾那の問い掛けに、笑顔で答える。 「それならいいけど…ねぇ?それで律は近くに来てくれないの?」 私の顔をジッと見て納得したのか表情を変え、伺うように聞いてくる。 「…行くよ、綾那の傍に」 一瞬の逡巡の後、私は笑顔で頷いた。

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