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「綺麗だね」 そう言って彼は微笑んだ。   春の風が優しく桜の木を揺らす。 春姫の頭に桜の花びらがひらひらと舞い、落ちる。   「花びらついてるよ」 彼は私の頭を指差し、クスクスと笑った。   「笑わないでよ…」 そう呟き花びらをとる。   (うまく取れない…)   すると彼はすっと手を伸ばした。
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