死闘

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こいつは…!この感じは!! 「お前を殺せば抵抗は終わる…そしてまだ抵抗を続けるプレイヤーを全て滅ぼしこの世界を滅ぼす……お前は邪魔なんだよ!」 痛いほど感じる禍々しい気配、遠くからでもわかる赤光。俺は甘く見ていた…奴がこんなに力をつけていたとは……! 自分の甘さを今痛感した俺の隣でリディアが身を起こしていた、その眼は覚悟をしたように奴を見つめ、俺が「下がれ!」と言おうとした時に… ソレが…起こった。 リディアが両手を広げる その両手に集まるのは 赤光と対を成すように光る 蒼き光 その光が形作るのは 一対の弓矢… プレイヤーはこの世界で <現実>と同じように一定の法則で縛られる そして俺は、以前奴と戦ったから知っていた それを無視できるのは AIのみだと… 俺が呆然としている内にリディアが奴に向かって矢を放つ、しかし矢は奴には当たらずあまつさえ弾かれ地面に虚しく突き刺さる。 俺が自失から立ち直ったのは、リディアの奮闘虚しく奴がかなり近づいてきてからだった。 何を迷う? 何をためらう? 俺の覚悟はこんなものか? 彼女を救うと誓ったのは……嘘か!? 「違うっ!」 俺は手に入れた力で手に剣を形作り、カークの剣を受け止める。 目を射る赤光、前よりも増している力、怯みそうになった時 「彼女を渡せ」 不覚にもカークの言葉で闘志を取り戻す。 「断るっ!」 叫んで、一度後ろに跳び間合いを計ってから一気に踏み込みカークと打ち合う。 スピードは互角、身体能力も互角、しかし俺の中には極微量の……リディアへの疑いが迷いとして生じていた。 「今まで騙していたのか?何で言ってくれなかった?そんなに……俺は信用できなかったのか?」 そんな想いが渦巻き、リディアに問いただしたいという思いが戦場で致命的な判断ミスを招く…… 「っ!残像!!」 気づいた時には遅くすでに背後に回りこまれていた。できたのは剣の破壊を代償にダメージを軽減するのみ… 地面に強く叩きつけられもうろうとする意識の中また剣を作ろうと試みるが…作ることができない…。 カークが剣を投げつけるのが最後に見た気がした、その時抱いたのは…「あぁ、最後に彼女の笑顔が見たかった…」という思いだった…。
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