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泣き声が聞こえる。2人分の泣き声。
俺、なんかしたか?
耳を伝わって脳内に響き渡るその声は少しずつ大きくなって、次第に意識を呼び戻していった
「うわあぁぁぁん!!いっちー死んじゃ嫌だよおぉーー!!」
いや、死んでねぇっての
「わ、私がコケなければ…ぐすっ、一紀さんはこんなコトには……」
いや、コケたかコケないかは関係ないかと思うんですが…。いやしかし、あれはいいものだったな…
「なぁ…」
「え?ど、どこからかいっちーの声が!」
「や、ここからだけどな」
俺はベッドにいるらしい。体を包む毛布がヌクヌクと温かい。しかし頭が痛いし、寒気もある。おでこには冷たく濡れたタオルが置かれていた。
あれ…もしかして風邪?
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