Prologue

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ピーンポーンパーンポーン 『1年3組、稲葉一紀!1年3組、稲葉一紀!!今すぐ生徒会室まで来なさい!!繰り返す!!――』 不意に、学園内に気の張った女子の声が放送で学内に響き渡る。しかも声色を聞いた限り、結構イライラしているコトがわかる 「げっ!この声って…」 「委員長ですね」 諒平が苦笑いを浮かべる。それも無理はない。怒ってる時の委員長は、男子でも畏怖の念を隠さずにはいられない 「一体何なんだよ…。悪いみんな、先帰っててくれよ。俺はあいつの所寄ってから帰るしさ」 はぁ、と溜め息を付きつつ、鞄を持って席を立つ 「一紀…」 「ん?何?」 「がんばって」 少し頬を紅潮させて、玲那が静かに呟く。あぁ…なんて可愛いんだ。恥じらいというものがわかってらっしゃるこの子は
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