恥じらいを捨て(坂田)

3/3
前へ
/19ページ
次へ
ハッとして目の前のこいつを見ると、足元の方が消えかかっていた。オイ、待てよまだ言ってねーだろ。オイ、何でお前そんな泣きそうなんだよ。最後にそんな顔見たくねーよ。勝手に消えようとすんな。俺はお前に消えてほしくない、死んでほしくない。俺は、お前が好きだ。お前が大好きなんだよ、心の底から愛してるんだよ。 「、お前が!」 ぼやけた視界であいつの消えゆく顔を見ると、俺が見たかった顔がそこにあった。好きだ好きだ好きだ好きだ、お前が好きだよ。世界で一番好きだよ愛してる、消えるなよ。最後にひとつ涙を落として、わたしも好きだよと言って消えていった。なあ、お前が好きなんだよ‥‥。 恥じらいを捨て 叫ぼうではありませんか、 (俺をおいていくなよ、)
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加