30分の大切な1行

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『もしもし、』 電話に出るのが早すぎただろうか。 声が緊張してなかっただろうか。 この間にも俺の頭はフル回転で、 「もしもし?んふふ…なんなんですか、あのメールは。」 そんな考えさえも消してくれる、耳元で聞こえるこの声と舌っ足らずな話し方。 『見たらわかるやろ? 撮影延期でオフになってん。』 「んふふ…せやからぁ、だからなんなん?」 『だから暇や。』 「もー、ほんまに素直やないんやから。 …じゃあ光一さんちに行ってもええですか?」 待ちに待っていたこの言葉。 俺の大好きな言葉。 『おん、別にええよ。』 それに対して不器用な俺の言葉。 気の利いたことが言えない自分が本当に嫌になる。 そんな俺に素直に愛を伝えてくれる剛が少し羨ましい。 「んふふ… ほなすぐ行くな?」 そう言って切れた電話。 携帯を置いて、 あまり散らかってない部屋に、掃除機をかけながら考える。 --たまには甘い言葉の一つくらい言ってみようか。 それで君の嬉しそうな笑顔が見れるなら、 そうだ、 頑張って思いを言葉にしてみよう。 今の俺なら君のために変われる気がするから。 『剛、 ……好きや。』 *一行メールに込めた思いを口に、
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