出会いは突然に…

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"世間をあまり知らない" 落ち着いた会長改め水樹はそう言い放った。 ふざけているようには見えない。 ただ本当の事を言ったまでだった。 意味ありげな言葉を聞いて、会長の過去に興味が湧いた。 しかし美人会長をもてなして許して貰わなければいけない… 野暮な考えは頭から消し去るんだ。 「……彼氏はいるの?」 夢のような時間へ一歩ずつ歩き出した俺だが、 はいここで質問ミステイク。 いきなりこんな質問なんて俺はなんて奴だ。 「そんなもの作った事ない。なんだ急に」 「いやほら、会長みたいな人は彼氏いてもおかしくなさそうだし…いたなら俺といちゃダメかなーって……」 上手くかわす。 でも何でこんな完璧な人に彼氏がいないんだ。 作ろうとしないのなら何とも言えないけど。 「君は…いつもそんな事を一々確認しているのか?」 「…当たり前の事だと思うけど」 「渉に恋人はいないのか?」 今話したばかりですよね。 いたらデートなんかしないって。 「欲しい年頃ですね」 「何が良くて恋人など…」 「え、何か言った?」 何かを言った気がした。 うまく聞き取れなかったけど。 「何でもない、さぁゲームセンターへ行こうではないか」 提案したのはゲームセンター。 一度行ってみたいランキング一位にランクインしていたらしく、二つ返事でOKだった。 「やっぱり……俺何してんだろ」
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