出会いは突然に…

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―――コクッ 顔を真っ赤にして水樹は頷く。 「いや何で照れる」 「だって、私がこのような可愛らしい物を…欲しがるのは…変じゃないか?」 「まず水樹がどんな人なのかもあまり把握してないから変じゃねーかって言われても。それに、女の子だったら普通の事でしょ、こーゆーの欲しがるのは」 こんこんと親指でゲージ越しにつつくと、ぬいぐるみを見て唸る程考えている。 ここは取ってあげるべきなのか。 まぁどうせ今日限りだし、挑戦してみようかな。 「よっしゃ見てろ水樹、ゲーセンってのを教えてやる」 ボフッ 「……えー……あぁ、これ。あげるよ」 え、えっと…見事一発でした。 これが俗に言うまぐれ。 まさか取れるなんて思って無かった。正直喜びたい。 「い、今のはどうやって取ったのだ!それとこれは渉が取ったものだろう?」 「俺はいらないよ。ほら、初ゲーセンのお祝いにどうぞ」 これから先、水樹とも関わらないだろうな。 だって会長様と一般人なんだから。 せめて今日くらいは夢みたいなシチュエーションを楽しんでおこう。 「…ありがとう。友人から貰うのも嬉しいものだな……」 『大事にする』と、クマさんをギュッと抱き締め、優しく微笑んだ水樹。 友人、か。 「そんなんで良ければいくらでもやるってのに」 「私からすれば…嬉しい事だ…」
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