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もちろん、何故仲良い3人が集まったか不思議に思った。
まぁでも、こういう事もあるかーなんて考えながら入学式のために体育館へと足を運ぶ。
ど暇なこの式は、担任の挨拶やら校長の話があるだけ。
俺は何も聞かずにうとうとしてただけだが、新入生の挨拶をした人の顔と名前だけはしっかり覚えている。
黒髪で、背中の真ん中あたりまでの長さ。
ほんの少しだけ毛先が巻かれていて、目はパッチリ、唇はプルンとしてた。
そして何より...
「ボン!キュッ!ボン!」
「……ビックリするんだけど」
「ごめん…」
そう、声に出してしまうほど美しい体だった。
そしてその名前は
烽蓮寺水樹(ホウレンジミズキ)
家はいかつい純和風に違いない。
「なぁ渉。新入生の挨拶の人、可愛くね」
「思った。やっぱ世の中広いんだな」
やはり男子から見ると相当なもんだあの女の子。
「亮介って本当……誰でも良いんだねー」
ボーイズトークを楽しんでいると、ふて腐れたような楓が首を突っ込んできた。
楓の態度の理由は簡単。
楓はずっと亮介の事が好きなのだ。
何故か一度も伝えず今日に至る。
「いや別にそういう訳じゃ……楓?」
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