出会いは突然に…

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出会いは突然に…

入学から一ヶ月程経ったある日。 「つー事で桐島、この書類生徒会長に渡してな」 寝起きの俺には全くもって訳の分からない状況に。 クラスの皆が帰って誰もいない教室に、ただ一人寝ていた奴がいる。 それが俺、桐島渉 気持ち良く爆睡していた俺は妙な仕事を先生に押し付けられてしまったのだ。 まず、生徒会室を知らない。 という訳で職員室へ。 「失礼しまーす。生徒会室ってどこにありますか」 ドアを開けて一番近くにいたガリベン教師に声をかける。 メガネが光って目が見えない 「職員室から右に3つ行った所さっ」 メガネ先生は俺の質問に答えると、メガネをクイッと直し、変哲な笑みを浮かべた。 こんな先生、本当にいるんだな。 「あざまーす」 さっさと済ませて帰りたい。 俺にはアイスを買ってむしゃむしゃしながら帰りたいという夢があるからな。 「三つ三つっと、ここか。すいませーん」 よく見れば生徒会室と書いてあるじゃないか。 なんだよーと独り言を吐いていると、中からは聞き覚えのある女性の声がした。 「入ってくれ」 男のような口調の透き通る声だ。 もう一度聞き覚えがあるなぁと思いつつ、ドアを開けると 「失礼しま――――あっ」 「な、なんだ…」 そこに座っていたのは始業式の時、新入生の挨拶をしていた同い年には見えない、あの綺麗可愛い女の子だった。 何故、あの人がここに? 「えっとー、生徒会長いますか?」 「む、私だが」 いやいや 一年でしょあんた 「あの、自分一年生ですけど、あなたも同い年ですよね?」 「そうだ、私も一年だ」 ………うーん。
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