出会いは突然に…

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『てんてんてん』 可愛らしく効果音をつけるならばそんな音だろう。 今相手には俺のマヌケ面が見えているはずだ。 そんな沈黙が数秒あって、理解。 「はっはっは!あれだな、生徒会室に侵入して 『今は誰もいないから座っちゃおー』 な感じだな!?だけど急に俺が来たから焦ってる。そうかそうか。はっはっはっはっは!」 勝手に解釈し、高らかに笑っていると、クルクルと回る椅子からゆっくり降りて俺の方に歩み寄る。 バカな事をやっているけどやっぱりこの人は可愛いし、綺麗だ。 あれか、可愛ければ許されるのか。 「な、なんでしょう」 身構える俺に 「……お前は私に喧嘩を売ってるのか?」 なんて脅し文句。 この娘は何を言ってるんだろう。男の俺に喧嘩を売ってるなんて。 「いやいや…まぁ仮にだけども会長さん。俺は男ですが…」 「私はお前に聞いてるだろう。喧嘩を売っているのかと」 クスリと笑い、調子に乗り、人差し指を手前にクイックイッとやってみるとあら不思議 ―――その瞬間に俺の腹と頭に衝撃。 彼女は俺の腹に下突き、顔に上段回し蹴りをかましたのだ。 「……手加減だ。ありがたく思え」 「パンツ……コホン。ほ、本当に生徒会長ですか?」 「お前、まだ喧嘩売ってるのか。最後に言う…私をおちょくっているのか?」 また半殺しにされる。それは避けたい。 いやでも、パンツは見た――― 「そんな事あるわけないじゃないですか」 ―――いかん、今はパンツより命を優先しよう。 「そうか…なら良い。で、用件は何だ」 あぁ、そうだった。
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