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「担任からこれを。本当に生徒会長なの?凄いな」
「あぁ、この書類……何だ文句があるのか」
「文句は無いけど・・・・・・。一年で生徒会長って初めて聞いたから」
「私も校長に頼まれた時は驚いたけどな」
校長が頼んだのかよ…。
ただ、書類をパラパラめくるその姿を見て納得。
ようするに、似合う。
「そうだお前。クラスと名前を教えてくれ」
そんなキリッとした目で見られても……俺、イジメの対象に―――
「ならないから安心するんだ」
「ちょっと…人の心を読むのはやめようよ」
「声に出したのは誰だ」
なん……だとぅ?
「……使えない口なんだ、許してくれ」
「で、名前は」
「C組、桐島渉」
ハッキリと答えると、『よろしく』と言い笑顔を浮かべながら差し延べられた白く綺麗な手。
少々戸惑いながらも手を握る。
手、小さいな。
「渉か…私は――」
「烽蓮寺水樹、だっけ」
「お前私のファンか」
「何で!?入学式の日、檀上で何か喋った時聞いてたんだって」
「…………あ、あの時か」
「結構頭ん中探したな会長」
「私の名前は水樹だ。会長じゃない。そうだな、呼び方は水樹で良い。というより、苗字と会長で呼ばれるのは嫌いだ」
「名前…って。いきなりは恥ずかしいっすよー!」
満更でも無い俺がいる。
「名前で呼ぶことは恥ずかしいのか?私は気にしないぞ、お前は面白いし」
面白いと呼び捨てOKな人…って解釈でよろしいのかな会長様よ。
「……じゃぁ、可愛く水樹ちゃんで」
「私に似合わないのを承知で言っているだろう…」
「はっはっは、面白いな」
振りかざされた右腕。そして俺の脳天に、ズドン。
「あだっ!」
「黙れ」
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