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ピピッと、あらかじめ設定していたアラームが鳴る。
落ちていた意識を無理矢理引き上げて、ついでにズレたシーツも引き上げて…って、
「うわ、マジやっちゃったんか、俺」
けたたましく鳴るアラームを止めれば、後悔と少しの罪悪感が腰の鈍い痛みと同じく襲ってくる。
「年下、生徒で…あと男」
いつの間に俺はオオカミさんになったんだ。
駄目だろ、マジ、あんとき流されなきゃ良かった、もうなにやってんの俺。
と、頭を抱えてみたものの、過去には戻れず、ついでにホテルの退出時間は刻々と迫ってくる。
「ひ…土方くーん、起きてー」
りあえず目の前の追加料金は避けるべく俺は動いた。
起きているときは、大体が凶悪面の彼の肩を、恐る恐る揺する。
「土方ー土方ーこらー大串~?」
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