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「うげ、まだ行くのかよ、結構学校から歩いたってのに」
「おう、こんなストーカー紛いの奴が文句垂れても、不純なもんにしか聞こえねぇや」
あぁ?
そう言いながら振り返る。
街灯に照らされて薄ぼんやりと見える茶髪。
まるで汚い物でも見るような蔑んだ目線を飛ばすのは、俺のクラスメイトである沖田 総悟だ。
「うるせっ着いて来いなんて言ってねーだろが」
「只の暇つぶしでさぁ、今家に姉さんの彼氏が居て帰れねぇんだよ察しろぃ」
「察せるかそんなもん!」
「あっバカ、声がデカい」
慌てて傍に常駐してあった車の影に隠れる。
一瞬振り返ったような背中が見えて、ゾクっとした物が背中に走った。
本当、何やってんだか。
担任を追いかけ続けて、早30分が過ぎ、俺の安物腕時計は、もう夜の9時に近づきつつあった。
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(一発猫の鳴き声でもしやすかい?)
(ヤメロォオオオ!それは名神だ!)
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