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誰かがついて来ていたのは知っていた。
ただ、誰だろう
俺なんかしたっけか?
とかぐらいにしか思わなかった。
ついて来てぇならついてこれば?
と次に感じた。
「嫌」
そうはっきり言われ、内心イラっときた。
つか何で俺の生徒なんだよ、何?君ら俺に気があるわけ?
あー糞、面倒くせ
パカリと開かれた2つ折りの携帯を親指で操作して、アドレス帳から一つの携帯番号を引っ張ってくる。
それはもう直ぐそこだった部屋の人間宛てだったが、わざわざそこまで行って了解を得る気にもなれない。
「辰馬ぁ?俺」
数回のコールの後、回線が繋がる。
『オレオレ詐欺なら間に合ってんわ~』
「分かってんだろテメ、あーなんか2人程連れってってい?」
『金時!おんし同伴で来るたぁ成長したのぅ!勿論大歓迎ー』
「あーはいはい、じゃあ直ぐ行く」
大いに勘違いしてそうだったが、まぁ行ってからでも遅くは無いだろう。
今月通話料ヤバいし、俺。
「お前らとりあえず着いてきて」
そうアイツらに言って俺はビルの中に入った。
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