俺達は肌を重ねて

3/4
前へ
/27ページ
次へ
「反抗期?」 「違うわ」 冷たいコンクリートに押し付けられた両手首が痛む。 ま、顔には出さねぇけど。 こんな子供相手では、どこか余裕を持って接した。 内心はどうであれ、外側は綺麗にコーティングして。 なぁ、土方、綺麗に写ってる? 「あんたのバイトの話しなんてこの際どうでも良い、俺が知りたいのは」 「知りたいのは?」 同じ高さにある顔を覗きこむ。 案の定言葉に詰まった土方は、眉を寄せた。 その表情良いね、グッとくる。 「あんたが何で、この前俺にあんな事したか」 「何かしたっけ?」 「とぼけんなよ」 「くッ…」 ギリッと掴まれた皮膚に指が食い込む。 まるで痣になってもおかしくないようなソレに、思わず小さく声が出た。 「ちゃん、と言ってみ」 「…何でフェラなんかしたんだよ」 痛みなんか忘れてしまう。 「お前の顔が好みだから」 と呟いた後、直ぐに身を乗り出して唇を塞いだ。 只、今は甘い感覚に捕らわれていたい。 そう思った。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

593人が本棚に入れています
本棚に追加