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何でこんな事になっているのだろうか。
狭苦しい空間に下げられた便座の蓋、無意識に蹴り上げたタイルは妙に清潔で、遠くで聞こえるどこかしろの授業の声に、背徳を感じた。
「っ…あ、」
思わず零れた声に、俺の股に顔を埋めていた奴が、ニヤリと笑いながら上目を向く。
眼鏡を外した赤い瞳と目があった時、腰が震えた。
何も飾りをつけない言葉で表すなら、フェラチオ。
俺の心境的に表すのなら、逆強姦。
マジありえねぇ、何だこの状況。
「は…ッ」
「苦しい?」
チュルっと吸い付いていた唇が離れて、心底楽しそうな笑い声でそいつは言った。
教師のくせに染めてるのか、やけに白い銀髪に整った顔立ち、正真正銘コイツは俺の担任の坂田 銀時で、最悪な事にコイツも男だ。
「うっせぇウゼェ続けろ」
「っとに…口悪いな」
その綺麗な顔で舐められると、どうしようもなく感じて、吐く息すら震える。
何で
何で
何で
何でも良い
どうでも良い
今は只、この甘い快感に溺れたい。
「ッア!てめっ何で」
決定的な刺激が無くてイクにイケない。
高ぶらせるまでのテクといったら、風俗穣にも勝るようなそれなのに、今は遊ぶように舐められるだけだ。
いや、断言できる。
コイツは意図的に遊んでるだけだ。
何て奴!
「坂田っテメ」
「先生っしょー、あ、授業終わり5分前」
「は?」
そんな、まさか、嘘だ。
「よっこらしょ」そんなおっさん臭いかけ声と同時に立ち上がった姿に、俺は開いた口が塞がらない。
ちょっとマテ、まだイってねーんだけど俺。
「んじゃ、もう忘れもんすんじゃねーぞ」
ニッと上げられた口元に、ヒラヒラと振られた手。
キィ、と便所のドアを開けて、そいつ、坂田銀時は清々しく去っていった。
ハァアアアア!?
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