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蝉が煩い、日差しはキツい。
学生の特権、夏休みが始まる前の7月だった。
クーラーが効いていない中庭を、息をしないように突っ切って(気休めだっての)、逆にクーラーガンガンの保健室に舞い込んだ。
「銀時テメェ、ここはお前のベッドじゃねーって何度も」
「ういっす晋ちゃん、今日はベッドじゃねーんだな」
大学からの腐れ縁である同期、高杉 晋助が回る椅子を回転させて振り返った。
凄げーな、何で喋る前に分かったの?
「晋ちゃん言うな、あ?じゃあ何?」
「歯磨きセット貸して」
あ、でも使用したの返すのもどーかと思うから、頂戴。
と、無理やり付け足す。
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