変わらない非日常に乾杯ッ!

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人は、人生の中で様々な経験を経て、そしてその経験をもとに成長していくらしい。 昔、なんかのテレビでお偉いさんが言ってたような言ってないような、まぁどっちでもいいような。 つっても当時の俺は、そんなことは話半分に聞き流していたし、全く興味も湧いていなかったわけで。 ……だがしかし。 最近になってようやく俺は、その言葉を意味が理解できるようになってきた気がするのである。 それはもう、嫌というほど。 ――瞬間。 突如俺の右方向から、乾いた発砲音が響き渡り、音速の物体が俺のコメカミ目掛けて突っ込んできた。 俺はすぐさま頭を下げ、その物体の衝突を回避。 ……ちょっと前まではこんな現象に一々ビビッていたが、今でもなんかもう、当たり前のように感じてきた。 ははは。慣れだね、慣れ。 ――すると、今度は後ろから俺の後頭部狙って金属バットが襲い掛かってくる。 確実に命を取りにきただろう渾身の一撃。……だがしかし、そこは慌てず、冷静に体を捻り無事回避。 この現象にも、毎回死ぬかと思っていたが、今はもうアレだ。日常茶飯事。 昨日はたしか木刀だったかな。 「――こんのクソモヤシがぁぁぁぁぁぁ!!」 ―――いやはや。 まだ終わりませんか。 今度はなんとまぁ、俺の目の前に立ち塞がった赤髪の女性が、怒声を上げながら右拳を振り下ろしてきやがりました。 相変わらずの凄まじい気迫に一瞬怯んだものの、一歩大きく後退することで、俺はその攻撃も難なく回避。 空振りした女性の拳は、そのまま地面に衝突し、そして地面のコンクリートはまるで隕石が落ちたかのようにボッコリと陥没する。 拳で一発でコンクリを叩き割る女性。 一般人が見たら、悲鳴を上げて一目散に逃げ出す光景だろう。 俺だって、最初はそうだった。今はもう見慣れた光景だが。 ……ん? 待て。 それじゃあ俺がまるで一般人じゃないみたいじゃないか。 おいおいジョン。 冗談はよしてくれよ。ぼかぁ普通の健全な高校生だぜ。HAHAHA はい。意味不明。 「―――で、何の話だったけ、夕梨?」 若干テンションが狂ってきた俺は、気持ちを切り替え、手に持った電話に話しかけた。
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