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「ん……」
重いまぶたをあけると、そこは知らない場所だった。
白くて、ベットがいくつもおいてある。
きっと、病院だろう。
が、なんで私がここに……?
「純!起きたのか……!」
安心した顔を見せる上のお兄ちゃん、直兄。
「心配かけんなよなー!」
怒った表情を見せる下のお兄ちゃん、元兄。
「どれ、僕らの事わかるかい?とりあえず、自分の名前いってごらん?」
直兄が心配した顔で、聞いてくる。そんなの、わかるに決まってるのに……。
「暁、純……。16歳。高校一年。7月7日生まれ。あと、直兄と元兄……でしょ?なんでそんなこと聞くの?」
元兄が眉間にシワを寄せながら言う。
「お前、ここにくる前のことは覚えてるか?」
前……。
ってなんだっけ……?
「え……覚えてない。学校から帰ってきてたと思うんだけど……」
お兄ちゃん達が顔を見合わせる。二人で小声で話した後に、私に向かって笑顔を見せた。
「いや、なんでもないよ。純は道端で倒れたらしいからね。頭打ってたら記憶を失うこともあるらしいから確かめただけだよ」
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