事故

4/13
前へ
/24ページ
次へ
「ん……」 重いまぶたをあけると、そこは知らない場所だった。 白くて、ベットがいくつもおいてある。 きっと、病院だろう。 が、なんで私がここに……? 「純!起きたのか……!」 安心した顔を見せる上のお兄ちゃん、直兄。 「心配かけんなよなー!」 怒った表情を見せる下のお兄ちゃん、元兄。 「どれ、僕らの事わかるかい?とりあえず、自分の名前いってごらん?」 直兄が心配した顔で、聞いてくる。そんなの、わかるに決まってるのに……。 「暁、純……。16歳。高校一年。7月7日生まれ。あと、直兄と元兄……でしょ?なんでそんなこと聞くの?」 元兄が眉間にシワを寄せながら言う。 「お前、ここにくる前のことは覚えてるか?」 前……。 ってなんだっけ……? 「え……覚えてない。学校から帰ってきてたと思うんだけど……」 お兄ちゃん達が顔を見合わせる。二人で小声で話した後に、私に向かって笑顔を見せた。 「いや、なんでもないよ。純は道端で倒れたらしいからね。頭打ってたら記憶を失うこともあるらしいから確かめただけだよ」 .
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加