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俺は二階に上がって突き当たりの部屋の中に入って行く。
「こんにちはー。山田 洋の所の回収行ってきましたー。」
「ん?翔か、ご苦労さん。どうだった?あいつなかなか金払わなかったろ?」
ニコニコしながら話しているこの人は貴(タカ)さん。
見た目は爽やかで、笑顔が似合うイケメンのお兄さんだ。
でも実は組長の息子で入澤組のNo.2
抗争の時に人を撃つときも笑ってるって聞いたことがある。
「貴さん笑ってますけど大変だったんですよー?普通の高校生なら死んでますって。」
「あははっ!あいつは柔道の国体選手だったからな。普通の奴はボコボコにされて帰ってくるのがオチだよ。」
「え!?そんなの聞いてないですよ!?だからあんなに強かったんですね。」
「おう。だからお前を回収に回したんだけどな。...ちゃんと金も揃ってるみたいだし、今回の報酬は奮発してやるからうまい飯でも食って来いよ。」
そう言うと貴さんは、渡した札束の中から二十枚ほど抜いて俺に渡してくれた。
「こんなに貰って良いんですか!?」
「頑張ってくれたからな。そう言えば今日もう一件回って欲しい所があるんだが、良いか?」
こんなことは珍しいな。
まあ良いか。
「了解です。場所はどこですか?」
「この紙に書いてあるから。後は宜しくな。」
「解りました。じゃあ失礼します。」
そう言って俺は事務所を出た。
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