花火

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「じゃじゃーん!」 ピンクに藤の花がさりげなく描かれている浴衣の袖を広げながら 玄関前で待っていると紘平の前に跳びでてみた。 「どぉ?!」 「…ん!かわいいよ 定番だけど馬子にも衣装かな?」 「ホント、素直じゃないねぇ。」 頬を膨らませると「うそうそ、かわいい。」といいながら頬っぺたをつまんだ。 「さあっいこっか?!」 二人並んで歩き始めた。 6時を過ぎてもまだ蒸し暑い。 蝉も絶え間無く鳴き続けていたが 紘平との会話であまり気にならなかった。  
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