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公的事情により。Part8
「・・・ん?」
紫の手と手を絡ませつつ答える
「・・・ずっと」
「博麗であることを求められてきたのよ」
「・・・ん」
「ずっと、それに答えてきたのよ」
「ん・・・」
「なのに、それ以外なんて」
「今さらわかるわけないじゃない」
「・・・」
「霊夢って」
「誰なのよ・・・」
スキマを使い床に落ちているモノを拾う
パチン
その仕草に霊夢は動揺した
「・・・もし」
「どんな形でも」
「どんな想いでも」
「私に答えてくれたなら」
「きっと」
「あなたは霊夢よ」
紫の胸の前に広げられた扇子が置かれていた
紫の言葉、想い、そして書色々な事が脳裏に浮かべるが
霊夢の行動は一つだった
紫の手を掴み
広げられたままの扇子を自分の胸の前に置く
「・・・」
今度は紫が動揺する番だったが
頬を赤めらせて俯いている霊夢を見、自然と微笑みが出た
「―――れいむ」
「れいむ」
扇子を再び床に落とし
そっと霊夢の髪を撫でる
「・・・霊夢」
「・・・」
「うん」
「霊夢」
「・・・うん」
「―――うん」
「紫・・・」
「もっと」
「もっと呼んで」
おしまい
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