195人が本棚に入れています
本棚に追加
『敵は晴嵐(せいらん)高校にあり』
俺の親父はそれだけ言って俺を晴嵐男子高等学校に入学させた。
全く理解不能。
ってか敵って何だよ…。
そして今日は晴嵐高校の嬉しいめでたい入学式。
俺には嬉しくもないしめでたくもないけど。
「…めんどくせぇ」ハァ…
登校途中の道端で空を見上げれば太陽が眩しくて思わず目を細める。
刹那。
「おはよッ!俺の可愛い猫ちゃんッ」
聞き慣れた
でも聞きたくない声が後ろから聞こえた。
めんどくさいから振り返らずに歩く。
足早に。
そしたら急に太陽の日差しが何かに遮られた。
「ちょっと酷いじゃんか!無視しちゃ嫌ッ」キャッ
「……悪い、殴っていいですか??」
渋々顔をあげる。
日光を遮ったのは、さっき後ろから声を掛けてきた杉本弘樹(すぎもとひろき)。
一応中学からの友達…って事で。
最初のコメントを投稿しよう!