#5-人間が降る世界

2/2
前へ
/406ページ
次へ
雀の鳴き声で目を覚ました。時計を見ると、もう午前八時だ。今日は仕事も休みだし、何をしようかな? リビングに行き、テレビをつけるとちょうど天気予報をやっていた。 -今日の天気は、晴れ時々人間です。お出かけのさいには傘のご用意を- 「えーー?人間?マジかよぉ」 思わず声が出た。 人間が降ると、外出は避けたいのだが…家にいるのもどうもな…。 とりあえず傘を持って、晴れてる間にどっか行くかな。 玄関の扉を開け、山の向こうの空を見ると、なんと人間雲ができていた。 「うわぁ、こりゃ、来るな……」 とりあえず降る前にコンビニに行って漫画でも読むかと考え歩き出した。 するとパラパラと小人間が降りはじめてきた。 グチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャ すかさず傘をさすが、大した効果は無く、ズボンは血で濡れてしまった。 本降りになる前にと思い、走ると、突然大人間が僕を襲った。 バギョグチャガチュビギャギュああああああギョガうぇあぅブゴベおぅふギビュがぁ!グチャグチャグチャグチャ 「あーもう!最悪だ!」 この距離なら家の方が近い。戻ったほうがいいだろうか? せっかくの休日が台無しだ。なんかさ、これだから僕は、人間が嫌いなんだ。
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4103人が本棚に入れています
本棚に追加