#2-大好きな君へ

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ホームセンターにね、サバイバルナイフが売っていたんだよね。買う時は緊張したよ。そして今日も制服を着て駅で電車を待つのに緊張するのだろうね。 知り合いに見つかったらどうしようか。恥ずかしいな。大丈夫、大好きだった君だから、すぐ終わらせるよ。 駅で電車を待ってると、君が来たね。そして僕を一度見て目をそらした。 後ろめたい気持ちがあったのかな?少しばかりの良心?笑っちゃうね。 「あはははは」 声に出して笑ったら、他の人と一緒に君も僕を見たね。大丈夫、痛くはしないよ。君が犯した罪を償ってもらうからさ。 ふーー緊張するや。 手が震えてる。 ザクっ あぐ……あ……ふぅ…痛いなやっぱり。首を刺したら声がうまく出ない……意識も遠く… 駅のホームで倒れたら、コンクリートが冷たくて気持ち良かった。薄れる意識の中で、人々が集まってきてるのがわかる。 君もちゃんと覗き込んでくれるんだね。 「○○くん!……ごめんね…ごめんね…」 いいんだよ……も…う…… 「あたしが貼ったんじゃないの……!他の男子が勝手に……」 …… 「だってあたしは―――」 ガタンゴトン 電車の音で、その先はよく聞こえなかった。
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