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「ちょっと待てぇー!!
テストって何だ、テストって。聞いてないぞ!」
これは一昔、アメリカが世界恐慌に陥った時くらいの危険度だ。
「今日担任が嬉しそうな顔して言ってたじゃん、聞いてなかったの?」
ニヤニヤしながらぼやく。
何が嬉しいのやら……
「俺は寝てたんだ。
あら、俺ったら何て素直なのかしら。
って事で、まっ、世界中の考古学者ですら妬み、惚れ惚れする俺様の美脳があれば大丈夫だな」
そんな俺のいつも通りのバカ丸出しの大口に対して亮太からはキツい宣告が下される。
「あっ、そういや赤だと補習でGW潰れるらしいねー」
ちょっ……。
それは何の冗談?
「俺様の崇高な眠りをそこまで奪いたいのはどこのものだ。剣舞にまぎれて我を討とうなど浅はかな考えはよせ!」
チッ、クソ担任め、頭のてっぺんが少し輝いてるからって。
「項伯が上手く居合わせてくれるといいね。まっ、俺ら成績やばい組は要注意だね」
そうである。
世界中の憧れ天才悠君とこのどこの馬の骨かも分からない様な男亮太、その他諸々な野郎は入試ギリギリだったりするのだ。
進学校ではあるが、学力がある奴は大抵違う所を受験している。
理由? それは勿論。
少々……いや多々おかしな連中がいるからだろう。これだけは入学者にアンケートすれば九分九厘、賛の文字を主張してくるに違いない。
その変人の中に入学して間もない俺がいるだなんてことは……あり得たりする。
俺はヤケになり、
「カムバッーク、マイGW!」
と叫びながら走り出す。
「最初から諦めかよ!ってか、ちょっと待て!」
とか聞こえた気がするが無視無視。てへっ
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