狂った歯車

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祖母が亡くなって、しばらくたつと、父は完全に家に帰って来なくなった。 母は「お父さんは、仕事で忙しいから帰って来れなくなったんだよ」と笑顔で言っていた。 だから、私は、きっとテレビでよく見る「タンシンフニン」というやつになってしまったんだと理解していた。 小さなアパートで、たった一人で暮らす父を勝手に思い描くと、とても可哀想に思った。 父が、いないぶん、私が菜奈の面倒をみて、母をたすけよう… そう思っていた矢先に、思いがけない事件が起きた。
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