異変

1/10
前へ
/250ページ
次へ

異変

~俊哉side~ 「…もう大丈夫、ありがとう」 泣いていた裕太を抱きしめていたら 落ち着いてきたらしく 裕太はそう言った。 「良かった。呼吸もさっきよりは落ち着いてきたね。ベッド、戻る?」 俯いたままの裕太に聞くと こく、と首を縦に振ったので 俺は車椅子をベッドに寄せると 裕太に手を貸して、ベッドに移らせた。 横になったのを確認して 空の車椅子を押して部屋を出ようとすると 裕太に呼び止められた。 「また、戻って来て?怖くて眠れないんだ。」 寂しそうに言うから 俺は迷わずわかった、と答えた。  
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

174人が本棚に入れています
本棚に追加