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異変
~俊哉side~
「…もう大丈夫、ありがとう」
泣いていた裕太を抱きしめていたら
落ち着いてきたらしく
裕太はそう言った。
「良かった。呼吸もさっきよりは落ち着いてきたね。ベッド、戻る?」
俯いたままの裕太に聞くと
こく、と首を縦に振ったので
俺は車椅子をベッドに寄せると
裕太に手を貸して、ベッドに移らせた。
横になったのを確認して
空の車椅子を押して部屋を出ようとすると
裕太に呼び止められた。
「また、戻って来て?怖くて眠れないんだ。」
寂しそうに言うから
俺は迷わずわかった、と答えた。
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