174人が本棚に入れています
本棚に追加
～太輔side～
俺は永瀬さんから
裕太が震えていたという話を聞いた。
さっきまで笑顔を見せて患者さん達と
楽しそうに話しているのを見てたから
にわかには信じられなかった。
裕太の様子を見に行くと
落ち着いた顔で眠っていた。
打たれている点滴を見ると、精神安定剤の薬の名前。
俺はそっと、裕太に近づいて
裕太の左手に、自分の左手を重ねた。
俺には裕太が震えていた理由
わかる気がするんだ。
裕太は、１人になるのが急に怖くなってしまったんだと思う。
本当に自分の死期が近いって悟って
今までは何とも感じていなかった
1人で眠ること
1人で部屋にいること
1人の世界が
怖くなってしまったんだ。
最初のコメントを投稿しよう！