異変

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~高嗣side~ 今まで手を握ってても反応がなかった裕太が 俺の手を握り返してくれたから もしかしてって思って、裕太の名前を呼んだ。 そしたら、ゆっくりだけど少しずつ目を開けてくれた。 隣にいた高槻さんも、目を覚ました裕太を見てホッとした表情をしていた。 「高嗣…」 「裕太!大丈夫!?」 俺を呼んでくれたから、そう聞いたら 予想外の言葉が返ってきた。 「高嗣…うるさいよ…。」 「は!?」 傍にいてやった人に向かってうるさい? ちょっとひどくね!? 「ぷっ…(笑)」 裕太の言葉を聞いて高槻さんは吹き出した。 …こいつもひどい。 裕太を見たら、裕太もふわっと笑った。 裕太はずるいよ。 裕太のこの笑顔を見たら 何か憎む気が失せてくる。 俺は裕太の笑顔が好きだから まぁいいか…今日は許す。 裕太の笑顔に免じて。  
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