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花火大会は綺麗だった
私はいつもよりはしゃぎ、伊藤さんがいることさえ忘れていた
『おいおい上野さん、俺忘れてないか?』
と彼は笑いながら言った
私は現実に戻ったかのように彼のほうを見た
『あ、ごめんなさい(笑)私昔からこういうところ行かせてもらえなかったから、はしゃいじゃって』
『どうして?』
『両親がお祭りとか嫌いで、友達とかと行かせてくれなかったの。だからついつい』
私はいろんな露店に付き合ってくれる伊藤さんに感謝した
帰り道私の両手には射的で当てたクマのぬいぐるみと、金魚が三匹入った袋があった
『今日はホントにありがとうございました。楽しかったです』
『こっちこそ。今度は飯とか誘っていい?』
『いいですよ。前もって言ってくれれば』
伊藤さんは無邪気に笑って私のアパートの近くまで送ってくれた
部屋に戻り私は飾りに使っていた、金魚鉢を洗いビー玉をしずめ水を入れ金魚の住家にした
とりあえずパン粉をあげると、お腹が空いていたのか、どんどん食べていた
クマのぬいぐるみはテレビの上に飾った
私はシャワーを浴びて部屋着に着替えビールを飲んだ
伊藤さんも同じ事してるんだろうか?
私は大きな伸びをすると今夜の花火を思い出していた
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