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日曜日お兄ちゃんに家にきてもらった
三人の前で私は土下座をした
『お父さん、お母さん、お兄ちゃんごめんなさい。私はやっぱりあの人のところに行きます。この家に傷つかないように、私の籍は抜いてください
本当に勝手な事言ってごめんなさい』
『絶対許さん!俊介がどんな立場になるかわかってるのか!』とお父さんは怒鳴った
でもお兄ちゃんは…
『いいよ、花。好きなようにしたらいい。でも籍は本当に抜くからな…本当にいいんだな?』
『構わない…もうここの家にも帰ってこないから。お母さんごめんね』
『花が幸せならお母さんいいのよ。また赤ちゃんできたらいいね、お母さん毎日祈ってるから…』
お母さんの言葉に私は耐えられず涙を流した
今日で家族じゃ無くなる…私は長瀬さんを選んだ
私はバック一つだけもって、家をでた
電車で長瀬さんのマンションに行った
合い鍵をあけると彼が玄関にいた
ひどく痩せて憔悴していた
私を抱きしめると何度も何度も『本当に花なのか』と確かめる
『本物だよ』
ベランダからは初夏の風が入ってきた
『私の居場所はもうここしかなくなったの。家から籍抜かれることになった…そんな私だけどいい?』
『無茶しやがって…今日からここが花の新しい家だ。戸籍のことが済んだら籍を入れよう…もう親父にも言ってあるんだ』
その夜は私達は久しぶりに激しく抱き合った
そう朝まで…そして二人でモーニングコーヒーを入れて飲んだ
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