墜ちてゆくもの

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『ねぇ、仁』 「なあに?」 何気ない食事の光景 ではないはず 俺は檻の中 俺は鎖で繋がれたまま 裸の、まま けど仁は檻のそばでご飯を一緒に食べてくれる。 『お祭り、行きたい』 「外出ちゃダメだってば」 『いいじゃん…一日ぐらい…仁と浴衣きて屋台見たい』 「…じゃあ屋台に行くと人に会うからこの屋敷の屋上で花火見るぐらいならいいよ」 『本当?やったぁ!鎖も…外してね』 「逃げない?どこも行かない?」 『うん。じゃあ屋上行くまで目隠ししてよ。そうすれば逃げられないでしょ?』 「それなら…いいよ」 『よかった…じゃあ、浴衣買って!』 「…いいよ」 やったぁ 仁の瞳に映る最後の俺の姿は綺麗なままじゃないと。 .
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