『小助、いざ参る。』

2/4
前へ
/23ページ
次へ
ここはとある下町。 朝から晩まで人込みで賑やかな、特に取り柄もなく、態度ばかり偉い殿様がアホ面で町の中を笑いながら歩くほど、平和で活気のある町だ。 町から少し離れた所には、大きな屋敷があった。 そこには、せっせと門前の掃除に勤しむ若者が一人。   「あ~…今日も見事な晴れ空だぁ」   名は、『小助』。 この大きな屋敷の使用人を勤めている。 ぼ~っと空を眺めていた小助は、はッと我に返り掃除の続きに取り掛かった。少々、気の抜けているのが悪い癖だ。最後の塵を取り終わると、屋敷内の掃除に取り掛かる。 広い屋敷を掃除するのは、結構大変なのだ。 使用人は、小助を入れて全部で10人いたが、皆里帰りで今は小助と後2人しかいなかった。それでも掃除をするのは嫌いじゃない小助には、特に苦にはならなかった。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加