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朝起きた時に、見知らぬ美少女が目の前に居たら誰だってこう思うだろう。
「なんだ夢か」
「ええその通りよ」
夢に夢だと太鼓判を押される。これほど信頼の置けるものは他に無いだろう。
そう例えば……。
「ライオンに、お前はライオンか?」
「ええその通りよ」
「と聞いて、ええその通りよと言われる……え?」
美少女は真っ直ぐな視線を僕に向けたまま、柔らかい笑顔を向けて居る。
「今なんて?」
「ええその通りよ」
「それは何という質問に対して?」
「お前はライオンか?」
つまりこういうことか
「君の名前はライオンか?」
「ええ、私はライオン」
これは夢にしてもたちが悪い。
「今日はヤンデレで行こうと思っているの。
頑張ってね」
いったい何を頑張れば良いのか。
とりあえず自称ライオンは放置して、制服に着替えて、部屋を出る。ライオンは当たり前のように僕の後ろを着いて来る。
朝食の風景なんて、説明する必要なんて無い位ありきたりだ。
しいて説明するなら、我が家はご飯派だ。
リビングへと入ると、父は既に出勤した後のようで、かあさんがキッチンに立っている。
「おはよう、かあさん」
「おはよう、あきら、ライオンちゃん」
ん?
ちょっとまて、何故母がこの夢電波美少女の名前を知っている?
いや、夢だから知っていても不自然は無い。夢とはなんの脈絡も無い事が起こる物だ。
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