反面教師

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私を困らせて楽しんでいるようにしか見えない。 「もういいです」 プリントをおいて帰ろうとする私を、何かが制した。 「……、ちょい休戦……」 はっきりと聞こえる声でつぶやくと、担任は辺りを見回した。 「今日の晩飯、オムライス。俺、すこし遅くなるから、卵だけ買って帰ってくれるか?」 ……ずるい。この教師は本当に。 先ほどまで小狡い担任の顔をしていたというのに急に慈しむ目でみて、いきなり夫に変わる。 ああ、なんて小悪魔なんだろう。 私は呆れたように、わかったとこたえた……。
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