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目が覚めた。
頭がガンガンと痛む。
囚人服では無かった。
黒いラバーコートに黒いズボンだった。
ようやく辺りを見回す。
薄暗い。
灯は蝋燭だ。
コンクリート打ちっぱなしの壁には十字架が蛍光グリーンで描かれている。
そしてそのすぐ下には、(殺せ!奪え!)と。
俺は足元に何かある事に気付いた。
こめかみを押さえながらそれを手に取った。
それは黒くそしてズッシリとしていた、銃であった。
ハンドガンである。
そして足元にはまだ予備のマガジンと弾が1ケースあった。
ゴツゴツとしたコンクリートの床に座り込んだままだ。
とりあえずそれらをポケットにねじ込んだ。
思考しようとしたが、酷い頭痛がそれを許さない。
唯一つだけ、ここはもう留置所ではない事をレギオンは悟った。
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