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裁判は形式的なものだった。
俺はあっけなく島流しを宣告された。
暗くジメジメした所だった。
アスファルト打ちっぱなしの壁に鉄格子。
簡単で寝返りもうてないような狭いベッドには板の上に直にシーツが敷いてある。
向かって右側に蓋のない便器がありその上に流しがある。
窓は一切なく、鉄格子から見える廊下の向かいも壁だ。
電灯等の照明は廊下にも房の中にも一切無い。
だから、この留置所には昼も夜も訪れることはない。
食事は一日一回のみ、パン一つとわずかばかりのシチューが出るのみ。
看守が姿を見せるのは食事出す時のみだ。
二人の看守がステンレスのワゴン車を個々に引いてやって来る。
一人はパンを運び、一人はシチューだ。
囚人達はアルミのトレイを廊下側に置く、そしてそれに看守がトングでパンを直にトレイの上に置き、アルミのマグカップにこれも鉄格子越しにシチューを注ぐ。
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