ダウンバースト

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 この時期に入ると日本のハイスクールの三年生は、受験勉強等の為に休みに入る。ある者は大学受験をし、ある者は兵役の為、軍に入る来年まで思うように過ごす。大学に合格した者及び浪人生は、兵役を免除されるが、その後の職業によっては大学卒業後兵役を全うしなければならない。  翔もまた、例外では無かった。  正月が終わると彼は、空軍基地に再び呼ばれた。自慢のフローターバイクを走らせて行く。  地面から数十センチ浮いたバイクは、都内の高速をひた走る。  グングンと加速するバイク。右に左に車を避けながら、更に加速して行く。  (違う…やっぱり違う。俺の求める物は、あそこにある)  高速の道路灯が、残像を残しながら後方へなびいていく。  紫色に染まったハイウェイを翔は、ひたすら基地へとつっ走った。  基地に着くと、後藤大尉が待っていた。  「久しぶりだね。不知火君」  「久しぶりっす」  「すまんね…急に呼び出したりして…」  「いや、いいっすよ!別に暇してましたから…」  「話しと言うのは君の事なんだけど、特別プログラムを受けて見る気はないかい?」  「特別プログラムと言うと?」  「普通の人は今年の4月から実質軍隊生活に入るんだが、特別プログラムと言うのは、人より早く訓練生になると言う事なんだ。簡単に言うと、今からもう予備兵として入隊出来ると言う事さ。まぁ士官学校みたいなものだ」  「そうですか…、でも来週ストリームの引退試合があるので、それが終わった後なら…」  「ああ入隊は試合後でもいいよ。やってみるかい?」  「はい!」  「そうかわかった…ありがとう。引退試合は、楓少尉を連れてでも見に行くよ。入隊日は試合の終わった翌日でもいいかい?」  「僕は構わないですよ」  「わかった…じゃ、決定だ。宜しく頼むよ」  「はい!」
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