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「―……っ…なんでなんですかっ……!?」
「え、いや……俺に聞かれても……💧」
季節は日差しが直接照りつける7月。
私――神野 愛紗が好きな先輩――駒田 大牙はこの炎天下の下………
透明になっていた。
つまり、大牙は数日前に死んでいるのだ。
しかも、その姿が見えるのは愛紗1人だけ。
他の人たちはお坊さんが唱えているお経を涙を流しながら聞いている。
私は、私だけに見えている大牙先輩を外へ連れ出した。
……………と言ってもつかんだのはひんやりとした空気だけだったのだけれど………。
「先輩死んだんじゃなかったんですか!?」
「いや………死んだはずだったんだけど………💧」
「あ゛―!!はっきりしないなぁ、もうっ!!」
と言いつつ私の心臓は脈を早めていた。
私は大牙先輩が好きだった。………いや、死んでしまった今でも好きだ。
高校の入学式、私は高校にたどり着く前に迷ってしまった。
『あ~……💧どうしよう………迷っちゃった~……』
『あの~……』
そこで、声をかけてくれたのが大牙先輩だった。
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